2019年の100日間にわたる上海での昆虫採集を通じて、もっとも多く採れたクワガタは、ヒラタクワガタ。オスとメス通算45匹ほど(2019年10月23日時点)採れた。
日本でよく採れるノコギリクワガタやコクワガタは上海では1匹も採れなかった。採集した昆虫は、“キャッチ&採集した木にリリース”を基本ルールとしているが、ヒラタクワガタは今でも5匹ほど息子が飼育している。
ちなみに我が家では、室内に置いた飼育ケースから脱走を試みたヒラタクワガタ2匹が、妻のいたリビングのドアを、飛翔しながらノックし続けるというチャレンジをやってのけ、その悲劇以来、ベランダでの飼育を余儀なくされている(妻は、虫が大の苦手)。
今回は、上海でヒラタクワガタが、
どこで、採れるのか?
いつ、採れるのか?
どうやって、つかまえるか?
について書き残す。
上海での100日間の昆虫採集経験に基づくものの、僕や息子の主観的な洞察や想像も含んだ内容であること、ご承知おきいただきたい。
どこで、ヒラタクワガタは採れるのか?
小学生の息子に、上海でのヒラタクワガタ採集のコツを問うと、「川や池のそばで、
樹液が出ている柳の木の、樹皮やウロの中。雨が降った後の晴天で樹液がテカテカと出てくるタイミングがベスト」などと得意顔で言っている。小学校での国語や算数の授業でも、同様に明快な解答を導いていることを祈るばかり。
上海は、本当に柳の木が多く、川や池があればその両岸には大抵植えてある。上海浦東に位置する近隣の公園も柳の木がとても多い。これらの柳の木を、1本ずつ丹念に探索していく。
雨の日以外は毎日かならず虫とりに行くものだから、最近では特技を聞かれたら
「今、樹液が出ている柳の木、どこにあるか大体わかります」と答えるようにしている。
ちなみに同じ場所でも樹液が出ている木と、出ていない木があり、時期によっても
ヒラタクワガタが集まる木が不思議と変わっていく。
こちらも息子に問うと「ボクトウガやカミキリの幼虫が木に穴を開けて樹液を出させているかどうかがキーポイント。太陽のあたり方や風むき、湿気も関係あり。ゴキブリやナメクジにウロを占領され、追い出されたりもしてた。いろいろ、つながっているわけ。」などと、言っているが、真相解明は来年に持ち越しとなりそう。
いつ、ヒラタクワガタは採れるのか?
上海での記念すべき1匹目は、気温が約25℃くらいまで上がった5月25日に。もっとも遅い時期には肌寒い10月19日まで採ることができた。
傾向としては、日の出・日の入りの前後1時間くらいに、ヒラタクワガタをより多く見かけた。
5月末‐9月初旬(早朝5時30分から7時、夕方6時30分~夜8時くらい)
9月中旬 -10月中旬(夕方6時から夜8時くらい)
真夏の昼間も何度もトライしたが、ヒラタクワガタとはあまり多く出会えなかった。
カブトムシやシロスジカミキリは昼間でも沢山いたが(以下参考)、
何より、30℃を超える気温の高さにパパママ、子供の体力と気力が持たず、樹液のかぐわしい臭いもあいまって気持ち悪くなるからおススメしない。
また、雨のときはもちろん、雨が上がった後の3時間程度は、時間問わずヒラタクワガタに会える確率はとても低かった。
「なんかクワガタは音は聞こえないみたいだけど、空気の揺れ感知センサーを持っていて周囲の変化にかなり敏感らしいから」などと息子は言っていた。
どうやって、ヒラタクワガタをつかまえるか?
ヒラタクワガタ採集の持ち物は、以下の通り。
軽くて2メートルくらい伸縮する虫網(木の高い位置にいることも多い)
ウロからクワガタを追い出すピンセット(樹皮やウロを傷つけないように)
ウロの奥まで照らせるように焦点を絞れるライト(上海の夜道は暗く、マスト)
虫かご(友達に虫を見せたがるので、中が見えるケースがよい)
息子と“どちらが早くクワガタを見つけるか”手加減なしで競っているが、息子がいつも先に見つける。
彼に言わせると「柳の木でウロの中や樹皮の間で何かが動く音、柳の削りカスがひらひら落ちてくるとき、なんか木に違和感があるとき」などと言っている。どうやら子供にも違和感を感じたり細部の違いを見つける感知センサーが備わっている模様。
息子が、翌日の昆虫採集の作戦を楽しみに語る様子や、虫を見つけた瞬間の興奮、捕まえた瞬間の満面の笑顔、取り逃がした瞬間の泣きべそ、そのすべてで、彼の気持ちがものすごく動いていることを強く感じた。
上海でのヒラタクワガタ採集の一助になれば幸いです。上海にいらっしゃる機会があれば是非!
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